ー ラファちゃんの 記 録 庫 ー

8 月の 朝の墓地ー四国中央市 村松墓地 1978 年

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コロナで命を落とした4000人を分析して分かった、リスクの高い「持病と既往症」 がん、糖尿病、心疾患…

コロナで命を落とした4000人を分析して分かった、リスクの高い「持病と既往症」 がん、糖尿病、心疾患…

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志村けんさんは肺気腫

糖尿病と高脂血症、そして高血圧。昨年12月27日にコロナで命を落とした羽田雄一郎参院議員にはこれだけの「持病」があったという。

まだ53歳で働き盛り。そんな人が熱を出してからわずか3日で亡くなってしまったのは、持病のせいだったに違いない。

昨年5月にコロナに感染して亡くなった力士、勝武士も糖尿病患者だった。28歳という若さでも、持病があればコロナで命を落とすのだ。

コロナで死ぬ危険が高いのは、治療中の持病がある人だけではない。

昨年3月、志村けんさんがコロナで亡くなった衝撃を忘れられない人も多いだろう。70歳だった志村さんの場合、事務所は「基本的に通院するような持病はない」と発表していた。

だが、志村さんはもともと一日60本を吸うヘビースモーカーで、過去に肺気腫を患っていたようだ。最近は禁煙し治療もしていなかったが、一度壊れた肺は元には戻らない。肺気腫は、コロナによる肺炎が急激に悪化する要因となった。

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つまり過去にかかった病気、すなわち「既往症」がある人もまた、コロナで死ぬリスクが高いのである。

有名人だけではない。日本国内ではすでにコロナによって4000人を超える人が亡くなった。

旅立っていった人々が残した膨大な情報から学べることは多い。具体的にどんな病気や既往症を持っている人が、コロナで死ぬ可能性が高いのか。そしてどのような人が、コロナに特に注意すべきなのか。最新の統計データでようやくわかった真実を見ていこう。

日本では国立国際医療研究センターが中心となって、コロナ患者の情報を収集したデータベースが作成されている。研究参加施設は844にのぼり、登録された症例は2万件を超える。

無数にあるデータのなかで着目すべきは「死亡因子」についてのデータだ。ここを見れば、コロナ重症で入院した患者について、それぞれの持病ごとの死亡率が分かる。

コロナに感染し、命を落とす危険度が最も高い持病は何か。堂々のトップとなってしまったのは腎機能障害だ。重症者のうちの実に44%(25人中11人)が死亡している。

「人工透析の患者さんは免疫機能が低下しています。ウイルスが入ってきた場合、そのまま増殖し重症肺炎となってしまうのです」(浜松医療センターの医師・矢野邦夫氏)

意外な結果となったのは、この後の順位だ。

次に亡くなる割合が高いのは心疾患を抱えるコロナ患者となった。重症者121人中49人が死亡した(40・5%)。

そしてその次の3位は脳血管障害で、こちらは重症者114人中45人が死亡している(39・5%)。

一方、慢性肺疾患の人は、102人中31人が死亡してはいるものの、割合にすれば30・4%に留まっている。


なぜ肺より心臓か

コロナは肺の病気であるにもかかわらず、なんと、心臓や脳の血管の持病がある人のほうが命を落としやすいというデータが出たのだ。

いったいなぜなのか。東邦大学医学部名誉教授の東丸貴信氏が答える。

「新型コロナ感染症は、単なる上気道炎や肺炎ではないからです。コロナの正体は、毛細血管を含む全身の血管に障害を引き起こす『血管病』なのです」

最新の研究によれば、新型コロナは肺から血管に侵入し、血管の内側の細胞(内皮細胞)を攻撃することが判明している。

内皮細胞は血が固まるのを防ぐ役割を果たしている。そのため、コロナによって破壊されると、血管中に血液の塊ができ始めてしまう。これが「血栓」だ。そこに追い打ちをかけるように、コロナによって「サイトカインストーム」という現象が引き起こされる。

免疫細胞はウイルスを攻撃する際に「サイトカイン」と呼ばれるたんぱく質を分泌する。このサイトカインには他の免疫細胞を活性化する効果があるが、過剰に生産されると免疫細胞が暴走し、正常な細胞まで破壊してしまう。

サイトカインは血流に乗って他の臓器にも移動し、全身で血液凝固作用を高める。毛細血管から大動脈などの太い血管まで、身体中のあちこちで血栓ができていくことになるのだ。


東北大学加齢医学研究所教授の堀内久徳氏が厚労省の研究班や日本血栓止血学会・動脈硬化学会の合同チームのメンバーとして行った調査でも、コロナが血栓を作ることが裏付けられている。全国399の病院にアンケートをして、約6000人分の患者データを解析した。

「結果、60人に1人に当たる105人が血栓症を発症していました。人工呼吸器や人工心肺装置ECMO(エクモ)で治療中の重症患者に絞れば、なんと約13・2%が血栓症でした」(堀内氏)

では、血栓ができると何が起きるのか。大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授の石蔵文信氏が語る。

「足の血管で血栓が詰まれば、赤く腫れる程度の症状で済みます。しかし、脳の血管が詰まれば脳梗塞、心臓の血管が詰まれば心筋梗塞が発生することになります」

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心疾患や脳血管障害の治療中の人は、血栓ができやすくなっているので注意が必要だ。また、過去に心筋梗塞や脳梗塞を起こしたことがある人も、血管が傷んでいることに変わりはない。血栓ができやすく、血管も詰まりやすいため、コロナの死亡リスクが高い。

コロナにかかると危険な持病4位につけたのは、慢性肺疾患だ。ウイルスはまず上気道(鼻・口・咽頭)で増殖し、血管に侵入して下気道(気管・気管支・肺)へと攻め込む。そのため喘息の人は重症化リスクが1・5倍になるというデータもある。だが、より深刻なのは肺気腫だと前出の堀内氏は語る。

「肺気腫の人は、コロナの死亡率が3倍近くに上がるというデータもあります。吸い込んだ空気を取り込む組織である肺胞が破壊されているため、肺炎に罹ると必要最小限の酸素も取り込めなくなるためです」

慢性肺疾患と同率で4位に入ったのが、がんである。データでは、重症者79人中24人が亡くなっている(30・4%)。抗がん剤を使うと骨髄の機能が低下し、白血球の数が減少する。そのため免疫機能が低下し、コロナが重症化しやすくなると考えられる。

ただし、がん治療をしているからといって、必ずしもコロナの死亡リスクが高まるとは限らない。

昨年4月に女優の岡江久美子さんが亡くなった際、2月半ばまで乳がんの放射線治療をしていたことが、死亡リスクを高めたと報じられた。

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だが、日本放射線腫瘍学会が「一般的な放射線治療では免疫力が大きく低下することはほとんどない」と反論している。がん治療中の人は、自分の治療法でどれくらいコロナのリスクがあるのか、医師に尋ねておくといいだろう。

重症者299人中77人が死亡(25・8%)しているのが、糖尿病だ。前出の矢野氏は語る。

「血糖値が高くなると、白血球の機能が低下し免疫の働きも落ちます。糖尿病の人はウイルスに感染しやすいうえに、体内で増殖するウイルスに抵抗しきれずに、重症化するリスクが高いのです」

糖尿病患者のコロナ重症化リスクは、通常の約2・3倍となっている(米CDCの調査より、以下同)。

続いて重症者39人中10人が死亡(25・6%)した肝疾患が7位となった。がんや糖尿病の人であれば、普段医者から「免疫力が低下するので、感染症に注意するように」と忠告を受けている。

しかし肝疾患は、自分でも気づかないうちに病気が進行しているケースが多い。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、肝疾患(肝機能障害や肝硬変など)が始まっていても、まったく症状が出ないこともざらだからだ。前出の石蔵氏は語る。

「肝臓には大食細胞(マクロファージ)と呼ばれる免疫細胞があり、身体に入ってきたウイルスなどを処理しています。また、免疫をコントロールする『司令塔』となるT細胞も肝臓にある。つまり肝臓は『免疫の要』であり、機能が低下しているとコロナも重症化しやすいのです」

肝臓には、食物から吸収したアミノ酸をたんぱく質に変える「工場」としての役割もある。肝臓病を患っている人がコロナに感染すると、身体に必要なたんぱく質を十分に作れなくなって体力が低下し、重症化する可能性も指摘されている。

8位には高血圧(19・5%)、9位には高脂血症(16・1%)が入った。どちらもいわゆる「生活習慣病」で、動脈硬化により血管の壁が脆くなり、血栓ができやすくなってしまっている。

こうした人がコロナに感染すると、突然症状が悪化して短時間で亡くなる「エコノミークラス症候群」を発症しやすい。


「正式名称は『肺血栓塞栓症』といい、下肢の深い静脈にできた血栓が肺に飛んで詰まり、呼吸や血液循環が途絶える病気です。

欧米ではICUに入院した人の3~4割がこの病気だったという報告もあります。羽田雄一郎参院議員も容体の急変からたった15分で亡くなっており、肺血栓塞栓症だったと考えられます」(前出・東丸氏)

肥満の人は、83人中8人死亡(9・6%)で、ほかの持病ほど死亡率は高くない。持病がない人でも重症者の8%が亡くなっていることを考えても、過剰に心配する必要はない。

ただし肥満の場合、重症化するリスクが高いことは明らかになっている。「脂肪で肺が圧迫され、肺炎になり人工呼吸器をつけても肺が膨らまない」(前出・石蔵氏)という理由もあるようだ。

BMI30(160cmで約77kg、170cmで約87kg)以上の人は、重症化リスクが健康な人の3倍となる。さらにBMI40(160cmで約103kg、170cmで約116kg)以上では、重症化リスクがなんと4・5倍に上昇する。

「高血圧×喘息」が怖い

とはいえ、コロナが怖いからと無理なダイエットをすれば、免疫力が低下してかえって感染リスクが上昇しかねない。感染者数が急増したことで家にいる時間が長くなっているかもしれないが、体重を増やさないことから心がけたい。

ここまで見てきた持病・既往症のある人は、コロナへの注意を怠ってはいけない。しかしこれから、さらに恐ろしい事実をお伝えしなければならない。

複数の持病を抱えている人は、それだけで重症化リスクが高まることが分かっているのだ。米CDCの報告によると、2つ以上の基礎疾患を持っていると無疾患の人の4・5倍、3つ以上で5倍も入院リスクが高くなる。

たとえば高血圧の人は重症化リスクが健康な人の2倍となるが、さらに喘息も抱えていれば重症化リスクが4・5倍に上がってしまう。

その理由は、身体の中で不具合が複数起きると、連鎖するように症状が悪化していくからだ。

コロナで重症化、死亡したAさん(60代・男性)の症例を元に見ていこう。Aさんには、2年前に心筋梗塞で倒れて病院に運ばれた経験があるほか、尿酸値も高く慢性腎臓病を抱えていた。

Aさんは38℃台の熱を出し、意識が朦朧とするなか病院に運ばれた。およそ30分間にわたり人工呼吸器を装着したが、そのまま命を落とすこととなった。

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このとき、Aさんの体内では「症状の連鎖」が起きていたと考えられる。

「心筋梗塞があるため、コロナによる肺炎で呼吸不全と心不全を起こし、全身で酸素と血流が不足する状態になりました。持病を抱えていた腎臓はいわば『血の塊』のような臓器で、血流がないと腎不全状態に陥ります。

腎臓が機能不全に陥ると、血管内の水分や塩分が排出できなくなります。その結果、心臓や肺にさらに大きな負担がかかり、心不全が悪化してしまったと考えられるのです」(前出・東丸氏)

持病や既往症を抱えている人がコロナで命を落とさずに済むために、できることはないのか。前出の堀内氏が答える。

「糖尿病の人は血糖値をコントロールし、高血圧の人は降圧剤を正しく飲み続けることです。心疾患や脳血管障害の予防で血液を固まりにくくする薬を飲んでいる人も、主治医と相談の上、飲み続けて欲しいと思います」

コロナの危険度は人によって異なる。自分がどれくらい注意すべきかを頭に入れ、自分の持病の治療自体も、疎かにしないようにしたい。


『週刊現代』2021年1月23日号より


ー  以上   インターネット から  ー                                  

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